昨今,ガソリンエンジンとディーゼルエンジン両方選べる車種は多くあります.
そんな中,SUVにはディーゼルエンジンが適しており,車高の低いセダンはガソリンエンジンの方が似合うという記事が散見されます.
例えばアルファロメオのSUVステルヴィオはディーゼルが似合い,セダンのジュリアはガソリンが似合うというような論調です.
果たしてそう言い切れるのでしょうか?
私は車高の低い車が好きで現在はCLA200dに乗っています.
ディーゼルエンジンですが,街中では車の流れをリードするようなズバッとした中間加速を実現してくれるので,結構スポーティーな印象が得られます.
ディーゼルエンジンは重めの車体をグイグイ低回転で粘っこく引っ張るというイメージがありますが,実際CLA200dを運転していると鈍重だと感じるシーンはほとんどありません.
難点は高回転の伸びだけです.
実用上はディーゼルエンジンの豊かなトルクでキビキビ走ることは何の問題もありませんが,趣味・官能性を追求して高回転を味わいたいという方にはおすすめできません.
そういう観点からはSUVよりもスポーツセダンの方が高回転域を味わいたいという嗜好のユーザーが多いので,セダンはガソリンエンジンが似合うという風潮が生まれるのかもしれません.
私の前車セリカは1.8L 直4NAエンジン「2ZZ-GE」だったので最高7800回転までぶん回す楽しみがありました.
現在のCLA200dでは4000回転そこそこしか回りません.
これが楽しくないかと言われると,そうでもありません.
意外にもディーゼルの低回転でグッと加速するフィーリングやまるでEVのように豊かなトルクでアクセルペダルがダイレクトに車速とリンクするフォーリングが非常に気持ちいいと感じるのです.
これは私がディーラーで初めてA200dを試乗した時から感じていたもので,今でも非常に気に入っているフィーリングです.
高回転まで回るエンジンも素敵ですが,日常域で気持ちよさを感じられるのはディーゼルエンジンだと思ってしまいます.
さて,そんなディーゼルエンジンですが,車選びをする上で,鍵になってくるのはSUVかセダンかという問題よりも音環境だと思います.
車の静粛性というのは結構イタチごっこになる分野であり,ロードノイズが極端に静かな車だとディーゼルエンジンの存在感が相対的に目立ってしまったりするものです.
圧倒的な静粛性を追求したいというプレミアムセダンはガソリンモデルの方がキャラクターに合っているでしょう.
その点,CLAはAクラスベースなので,元々のロードノイズの遮音性も上級クラスより劣ります.
もちろんエンジンルームからの遮音性も上級モデルより劣るとは思われますが,相対的にはロードノイズの方がエンジン音よりも目立つような音環境なので,結果的にディーゼルエンジンのネガは消せていると思います.
CLAの静粛性は悪いというわけでもないですが,あくまで「ほどほど」です.
国産コンパクトカーなどよりは静かです.
もちろんプレミアムセダンからのダウンサイザーの方にとっては煩く感じるかもしれませんが,実用上,大きな不満を抱く方は少ないでしょう.
それくらいの車格の車こそ,ディーゼルエンジンが似合うのではないかと私は思うのです.
軽油+低燃費の経済的なメリットと豊かなトルクによる走行性能,そして音環境のバランスが最もとりやすい車格かなぁと感じます.
CLA200dの音環境については下記記事でもまとめていますのでご参照ください.
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