CLA200dにはメルセデス内製の湿式8速DCT(8G-DCT)が搭載されています.
この8速DCTは良くできたトランスミッションですが,通常のトルコンATとは微妙に異なるフィーリングがあります.
今回はその辺りをまとめてみたいと思います.
DCTとトルコンATのフィーリングが同等なところ
シフトアップの滑らかさです.
通常の加速時,DCTはもう少し変速ショックがあるイメージでしたが,実際は変速ショックは全くありません.
DCTは変速速度の速さが売りなイメージでしたが,街乗りでのCLA200dのDCTの変速スピードはかなりゆっくりしています.
ゆっくりギヤを繋いでくれますが,変速中に失速感もショックもないシフトアップ制御はさすがと言えるフィーリングです.
DCTとトルコンATのフィーリングが異なるところ
●停止時からブレーキペダルを離すとクリープ現象が生じるまでに1秒程度のタイムラグがあります.
トルコンATならブレーキを離すと自然に車が走り出しますが,DCTでは擬似クリープを発生させているのでこういった挙動になるのだと思います.
特に実用上,不便を感じることはありません.
●下り坂のシフトダウン時に空走感が強い
シフトアップ時には空走感,息継ぎ感などを全く見せない変速を実現していますが,下り坂でエンジンブレーキをかけるためにパドルシフトを引くとギヤが切り替わるまでの時間,車が一瞬空走します.
その際,下り坂では車が一瞬加速するフィーリングになるので,やや不快です.DCTがシフトアップと予想して次のギヤを準備しているタイミングでシフトダウンの指令を送るとこうなるのかもしれません.
いずれにせよトルコンATより違和感を感じる部分です.
●クリープが弱いので,坂道発進で下がりやすいです.電動パーキングブレーキのHOLD機能を使ってから発進した方が絶対に安全で楽です.
●低速域でのギクシャク感
これはDCTの一番の弱点かもしれませんが,停車直前の半クラッチ制御などで減速度が変化してしまうことが多いです.ブレーキを踏んでいないのにいきなり前につんのめるような挙動になることがあるので,慣れるまでは違和感があります.慣れてしまえばこんなもんかという感じです.
渋滞時のアクセルはゆっくり踏まないとギヤが強く噛み合いすぎてギクシャクした挙動になりやすいです.この点はトルコンでトルク変動を吸収しやすいATの方が得意分野だと思います.
まとめ
細かい違和感は多少ありますが,概ね不満のないトランスミッションだと思います.
高回転まで回してギヤを繋いだ時の「コクッ」とギヤが噛み合ってシフトアップするフィーリングはなかなかにスポーティーで素敵です.
DCTらしい電光石火のシフト変速を求める方はAMGモデルのスピードシフトDCTが必要になるかと思いますが,CLA200dでも高回転域でのシフトアップはその片鱗を見せてくれて,スポーツマインドを刺激してくれます.
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