今日はメルセデスのAクラスファミリー「180」モデルに搭載されている1.4L直列4気筒ターボエンジン「M282型」について考察します.
これは新型A180で初搭載されたエンジンでルノーとの共同開発されたものです.排気量は1332ccですが,表記は1.4Lとなっています.
海外向けのA200には気筒休止システムが備わりますが,日本仕様のA180は気筒休止は備わらず,もちろん流行のマイルドハイブリッドも非搭載です.
ただし,昨今,ライバルは軒並み3気筒へ舵を切っている中でベースグレードで4気筒ターボに乗れるというのはメリットと捉えることができるかもしれません.それではライバルとの比較を行っていきましょう.
メルセデス・ベンツ A180
直列4気筒(1332cc)M282型
最高出力 136ps/5000rpm
最大トルク200N/1460-4000rpm
JC08モード燃費 17.4km/L
WLTCモード燃費 15.2km/L
BMW 118i
直列3気筒(1499cc)B38A15A型
最高出力 140ps/4600-6500rpm
最大トルク 220N/1480-4200rpm
JC08モード燃費 16.8km/L
WLTCモード燃費 13.7km/L
プジョー308
直列3気筒(1199cc)
最高出力 130ps/5500rpm
最大トルク 230N/1750rpm
JC08モード燃費 18.8km/L
WLTCモード燃費 15.9km/L
ルノー ルーテシア(Aクラスと兄弟エンジン搭載)
直列4気筒(1333c)HSH型
最高出力 131ps/5000rpm
最大トルク 240N
1600rpm
JC08モード燃費 19.1km/L
WLTCモード燃費 17.0km/L
WVゴルフ8 1.0Lモデル
直列3気筒(999cc)+モーター
最高出力110ps+モーター13ps
最大トルク 200N+モーター62N
WLTCモード燃費 18.6km/L
VWゴルフ8 1.5Lモデル
直列4気筒(1497cc)+モーター
最高出力150ps+モーター13ps
最大トルク 250N+モーター62N
WLTCモード燃費 17.3km/L
トヨタ カローラスポーツ(1.2ターボモデル)
直列4気筒(1196cc)
最高出力116ps(5200-5600rpm)
最大トルク 185N(1500-4000rpm)
JC08モード燃費 18.0km/L
WLTCモード燃費 16.4km/L
マツダ マツダ3(2L NAモデル)
直列4気筒(1997cc)
最高出力156ps
最大トルク 199N
WLTCモード燃費 15.6km/L
考察
一般に直3エンジンの方が燃費に優れるという先入観がありましたが,A180はBMW118iよりも良い数値を出しています.
そして新型ゴルフはマイルドハイブリッド化の恩恵が大きく,今回比較した中では最もいい燃費を出しています.
マツダ3は唯一のNAエンジンとして出力が近くなるよう2Lモデルで比較しましたが,ターボ勢に匹敵する燃費をマークしています.
ゴルフ以外の燃費ランキングではルーテシアが優れますが,1つ下のセグメントとも言えるので,ガチンコライバルではプジョー308が優勢と言えます.
308は,出力面でもAクラスを上回る性能であり.燃費とのバランスがいいエンジンと言えるかと思います.さすがエンジンオブザイヤー4年連続受賞歴のあるPure Techと言えるところでしょうか.
カローラスポーツは貴重な国産のダウンサイジングターボですが,輸入車たちと比較するとパワー不足が否めませんし,マツダ3の2L NAエンジンにも出力,トルクで負けてしまっています.かなり燃費重視のセッティングということでしょう・・・.ただし,カローラスポーツには燃費優先であれば,トヨタ自慢のTHS2を搭載するハイブリッドがあるため,走りの楽しいターボという選択肢にしてもよかった気もしてしまいますね.
以上,つらつらと比較してきましたが,Aクラスは4気筒という面でBMWやプジョーシトロエン,アウディあたりに対しては回転フィールという面ではアドバンテージがあると言えるかもしれません.スペック面では出力,燃費ともに大差なしです.回転フィールは最近の3気筒エンジンは目覚ましく向上しているので,そちらの差も小さくなってきていると言えるのかもしれませんね.
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