私は地方の小さな病院で内科医として働いています.専門は内分泌代謝内科で糖尿病専門医の資格を持っています.しかし,小さい病院ですので専門性の高い診療というよりは高齢者を対象にした一般内科業務を多く行っています.
内科医として働いていて良いと思ったところ,辛いと思ったところをそれぞれ挙げてみたいと思います.
●内科医で良かったなと思ったところ.
①全身を診療できる.
内科は守備範囲が広いです.医師国家試験でせっかく全身の勉強をしたのに眼科や耳鼻科など局所に特化した科へ進むのはややもったいないと思ってしまいました.内科であれば国家試験で勉強した知識がいろんな場面で活きてきます.
②人の命を救って感謝されることが多い.
内科の病気で入院となる方は重症な肺炎などが多く,命の危機からの回復過程を何度も経験します.ご本人・ご家族からはいろんな場面で非常に感謝されるため,やりがいを感じます.
③緊急手術などで長時間拘束されることは少ない.
外科の先生方は緊急手術が必要になった場合は少なくとも半日は拘束されます.たとえ土日でも呼び出しがあればすぐに駆けつけて緊急手術を行わなければならないため,猛烈に忙しいです.その点,内科(特に私の内分泌代謝内科)は緊急に処置が必要となることが少ないため,ワークライフバランスを比較的保ちやすいです.
④比較的早く一人前になれる.
内科医は比較的早く外来デビューできます.私は3年目から定期の外来を受け持ち,経験を積むことができました.研修医期間を終え,自分の外来ブースを持った時には「医者になったのだなぁ」と実感したものです.外科系の手技が多い科などでは10年,20年の経験を積まなければ難しい手術の執刀医になることはできず,下働きの期間が長くなります.その点,比較的早く一人前になれるのは内科のメリットだと言えます.
次回は内科医をやっていて辛いことについて書きたいと思います.
コメント