現行Aクラスは2018年にデビューしました.
当時のSクラスとほぼ同等の安全装備を備え,音声認識システムMBUXの初出しモデルであり,私は過去にも一番コスパのいいメルセデスではないかと記事にしました.
デビュー当初はパワーシートや運転席側ディスプレイサイズの縮小など,装備を削ぎ落としたA180というグレードが322万円で用意されていましたが,実質的にはほとんどのユーザーが装備充実のA180スタイル(362万円)を選んでいました.
ただ,この時期はA180スタイルでもレーダークルーズコントロールなどはレーダーセーフティーパッケージとして24万円のオプションでした.ナビは18万円のオプションでした.合計金額は404万円となっていました.
現在は2021年秋にグレードが見直され,A180スタイル相当が新しく「A180」というグレードになりました.(装備を削ぎ落としたベースグレードは廃止されました.)
さて,2022年3月現在,A180の価格は409万円です.
レーダーセーフティーパッケージは標準装備化されています.
ただし,ナビ,パワーシート,スマートエントリーなど高級ブランドとして必須な装備は「ベーシックパッケージ」として27.2万円のオプションです.
合計金額は436.2万円です.
やはりデビュー当初の価格よりは32万円も値上がりしてしまっています.
細かい装備変更についてはこちらの記事をご参照ください.
ただし,悪くなった点ばかりではありません.
デビュー当初のAクラスはインテリアトリムはブラック一色でチープでしたが,新モデルではカーボン調のインテリアトリムが備わります.
さらに従来はレザーエクスクルーシブパッケージまで装着しなければアンビエントライトを装着させることができませんでしたが,新モデルでは標準装備化されました.
この2点だけでも内装の質感向上はかなり大きいと思われます.
特にアンビエントライトは夜の華やかさが段違いになります.
標準状態のAクラスはCLAとは異なり,ドア上部のトリムがハード素材でステッチもないなど,質感の差別化はされていますが,カーボン調インテリアトリムとアンビエントライトがあれば高級車ブランドとしての質感の水準は達成していると思われます.
新型ゴルフなどよりは圧倒的に質感は高いので,アンビエントライトに惚れて買うというような方がいても不思議ではないと思います.
ホイールもデビュー当初は16インチでしたが,現在は17インチが標準となっています.
走行性能や安全性能については概ねAクラスファミリーで共通なので,Aクラスのベースグレードはお買い得と言えるかもしれません.
リヤサスがトーションビームにはなってしまいますが,正直,乗り比べても大差は感じませんでしたし,静粛性もCLAと大差ありません.それだけAクラスが優秀とも言えると思います.
AMGラインをつけて変わる装備はマルチビームLEDヘッドライトですが,こちらは田舎道での夜間走行が多いという方以外は無かったら無かったで問題ないとは思います.
アドバンスドパッケージのヘッドアップディスプレイと360度カメラはあれば非常に魅力的ですが,コストカットのためには外してもいいとは思います.
ベーシックパッケージのみを装着した436.2万円のA180は新車でメルセデスの購入を検討している人にとっては魅力的な選択肢となり得えます.ただし,中古市場には多彩なオプションを装着したAクラスが出回っているので,中古でも気にならないという方はそちらも検討した方が良いでしょう.
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