【運転支援系の徹底比較】CLA200dとDS3クロスバックのACC制御について【優秀だが違いも多い】

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 メルセデス・ベンツCLA200dとDS3クロスバックはともに全車速追従クルーズコントロール(ACC)が装備されています.そして両車ともにステアリング操作もアシストしてくれるレーンキープ機能も備わっています.

 今回はこの両車のACCを徹底比較します.

先行車との車間調整のスムーズさ

 急な割り込みに対処する速度調整のスムーズさや,先行車がいなくなった場合の加速度調整などの制御については両車ともに甲乙つけ難いほどにスムーズです.合格!

レーンキープ力の強さ

 レーンキープ力の強さについてはDS3クロスバックの勝ちです.CLA200dでは外側に膨らんでしまいそうな急なカーブでもしっかりとステアリング制御をしてくれます.CLA200dはレーン中心付近を適度な緩さを許容しながらキープしてくれますが,DS3クロスバックは車線に線路が走っているかのように,ビシッとキープしてくれます.その分,ステアリングの自動での操舵力も強めであり,介入されている感が強く,違和感を感じる人もいそうです.メルセデスの自動での操舵力は強くないですが,自然な感じで介入してくるので,ドライバーに違和感は与えないような制御になっています.

車線内のポジショニング

 CLA200dは車線の中央付近をキープする制御のみですが,DS3クロスバックはレーンの右寄りでクルーズをスタートすれば右寄りをキープできますし,左寄りでクルーズをスタートすれば左寄りをキープすることができます.この機能はプジョー・シトロエン・DSのみで見られる珍しい機能ですが,使いこなせば安心感の向上に寄与すると思います.

レーンチェンジの時は

 CLA200dにはアクティブレーンチェンジングアシストが装備されていますので,ウインカーを出すと隣のレーンへの移行まで自動で行ってくれます.この操作はかなり自然であり,特に意識せずにドライバーがステアリングを切って車線変更しても全く違和感はありません.DS3クロスバックは車線変更のためにウインカーを出すとレーンキープ機能は一旦offになりますが,それでもステアリングの切り始めに抵抗感が残るシーンがあり,人と機械がぶつかり合っているような印象になることがたまにありました.

車線逸脱しそうになった場合は

 CLA200dでは車線逸脱しそうになった場合はまずはステアリング振動で知らせてくれます.そして,実線を越えそうになったり,隣の車と接触しそうになった場合には片輪ブレーキをかけることで元の車線に戻そうとする制御が入ります.この動作は非常に大きなブレーキ作動音がするため,ドライバーは驚いてしまいまう.DS3クロスバックでは車線逸脱しそうになった場合はステアリング制御で元の車線に戻してくれます.個人的にはDS3クロスバックの制御の方が自然で好みですね.

車線があまり見えない時

 車線の白線が薄くなっているなどであまり見えない時の挙動は両車で異なります.CLA200dでは白線が見えない状態でも先行車がいれば先行車に追従する形でステアリング制御を継続してくれます.しかし,DS3クロスバックは白線が読み取れなくなった瞬間にステアリング制御をやめてしまいます.この時,警告音などが出ないので,ドライバーは「いつステアリングアシストがなくなってしまうのだろう」という不安感を持ちながらステアリングを持つことになります.CLA200dでは機械がステアリングアシスト操作を行えない状況になった場合はすぐに警告音を出してドライバーに知らせてくれるので安心感は高いです..

ハンドルを握っているかどうかの感知は両者ともにトルク感知型

 CLA200d,DS3クロスバックともにACC作動中にステアリングを握っているかどうかの感知システムはトルク感知型です.長い直線道路などではステアリングをしっかり握っていても警告が表示されてしまうことがあります.その際にはステアリングを軽く左右に操作してあげる必要があります.メルセデスでは新型Eクラス,Sクラス,Cクラスでは静電タッチを利用した感知システムに変更されているので,直線道路などでの警告は出なくなっています.CLA200dももしかしたらマイナーチェンジで改良されるかもしれませんね.なお,ステアリングから手を離してから警告が表示されるまでの時間はCLA200d,DS3クロスバックともに大きな差はありません.

登坂車線などで隣に新しい車線が増えた場合の対応

 CLA200dは基本的には先行車についていこうという制御のため,登坂車線などが左に出現した場合でも問題なく元々の車線を直進してくれます.しかし,DS3クロスバックはたまに新規の登坂車線に移動しようとする挙動が出ることがあります.結構強い力でステアリングを左へ切ろうとするため,少しヒヤッとします.インターチェンジの出口などでも同じ挙動が出ることがあります.これは左側白線の実線を白線の点線よりも優先するような制御が悪さをしているのかもしれません.

まとめ

 これまで,私はACC作動時のレーンキープについてはレーンキープ力が強ければ強いほど優れているシステムだと思っていました.DS3クロスバックで初めて高速道路に乗り,ACCを作動させた時にはメルセデスを上回るレーンキープ能力に感動し,心から素晴らしいと感じました.しかし,より長距離をACC作動状態でドライブしてみると「白線が薄くなって読めなくなると途端にレーンキープをやめてしまう」や「突然左側に出現した登坂車線へ移動しようとしてしまう」など予想外の挙動を強い操舵力で実施しようとすることに不安感が強くなりました.急カーブでしっかりとレーンキープしてくれることは,一見ありがたいことなのですが,急カーブ中にレーンを見失い,急にレーンキープをやめられてしまうと,一気に車線逸脱リスクが高まります.ですので,システムの白線認識に絶対の自信がない状態でレーンキープ能力を高めるような制御は結果的にはドライバーの精神的安心感が損なわれてしまうと私は思ってしまいます.また,自動での操舵力はDSはメルセデスよりも強めでグイグイ切っていくため,ドライバーの感覚としては安心感より違和感につながるようなシーンも増えてしまいます.ドライバーの微修正をさらに機械に上書きされたような気分になることもあります.その点,メルセデスのレーンキープはRのきついカーブでは確かに外へ膨らみがちにはなりますが,基本的にはステアリング操作のアシスト力はマイルドなので,「そっとドライバーに寄り添っている」と感じさせる制御になっています.白線認識できない時にも先行車を目標にしっかり追従してくれますし,それもできなくなった場合は速やかに警告音でシステムの限界をドライバーに知らせてくれます.このような点が積み重なり,ACC作動時のドライバーの精神的な不安感は非常に少なく済みます.このようなドライバーの深層心理まで考慮されたACCのプログラムの作成はさすが安全性に対する哲学を持つメルセデスだなぁと改めて実感させられました.

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