医学生が臨床実習へ出るまでに通る関門

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 これまで当ブログでご紹介してきた通り,医学部では1.2年生では基礎医学を学び,3.4年生では臨床医学をそれぞれの科目の系統講義(座学)を学びます.そして5年生から臨床実習が始まるのですが,その前に関門があります.それがCBTとOSCEというものです.CBTはComputer Based Testingの略で選択問題をコンピュータの画面上で1日中ひたすら320問解きます.通常のペーパーテストと異なる部分もあります.単純に知識を問う短い問題もありますが,症例を提示された上で解答するリアリティのある症例問題もあります.順次解答4連門というタイプの問題では「まず行う検査はどれか?」という問いを答えた後に「検査結果はこのようであった」などの追加情報が与えられ,「考えられる診断は?」「行うべき治療は?」など4連続で関連した問題が出題されます.それぞれ1度解答すると後戻りはできないのはペーパーテストとは異なり緊張する部分です.CBTは国家試験ほど難しくはありませんが,対策は必須です.過去問などをまとめたクエスチョン・バンクという本を何周もしながら勉強していく必要があります.

 また臨床実習へ向けてOSCEという実技試験も関門になります.OSCEはObjective Structured Clinical Examinationの略でオスキーと呼びます.OSCEは実際に模擬患者さんを相手に医療面接,頭頸部診察,胸部診察,腹部診察,神経診察,救急などのカテゴリの実技を試験されます.試験前には6人程度のグループでそれぞれの診察について附属病院の先生方からレクチャーを受け,ビデオなども見ながら,班員同士で練習を繰り返し行い,試験に望みます.本番では試験官が見守る中で,模擬患者相手に診察手技を行います.CBT以上に緊張感がありますが,ある程度シナリオは決まっているので,余程対策不足で無ければ落ちることはありません.

 このようにCBT,OSCEで臨床実習へ行くにあたっての最低限の知識を有すると認められた学生だけが臨床実習へ参加することが可能となるのです. 

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