コロナ禍での面会風景

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日常
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 2020年,コロナ禍が一変させた風景があります.それは入院患者さんと家族との面会です.

 従来はもちろんご家族はほぼ自由に入院患者に対して面会可能でした.熱心なご家族は毎日のように面会のため,病棟に来られていましたが,それはもはや懐かしい光景となりました.

 私の勤務先の病院では,現在は週1の頻度での面会が許可されておりますが,一時期は入院したら退院するまで面会不可でした.

 iPadを用いたオンライン面会も開始されておりますが,視力や聴力が低下した高齢者にとっては,理解が得られないシーンも多く見受けられます.やはり家族が面会に来られて,手を握ったりされることの喜びは何にも変え難いもののようです.

 先日,嚥下機能の低下し,誤嚥性肺炎を繰り返している患者さんに対して,今後の治療方針を検討する病状説明の場が開かれました.その患者さんは認知機能は保たれておりました.御家族が久々に来院され,私たちから病状説明を受けた後,「胃瘻造設については本人の意見を確認したい.」との申し出がありました.そこで,面談室へご本人を車椅子で招き入れることになりました.ご本人は久しぶりに娘さんに対面し,入室後数秒で大粒の涙を流されました.そして娘さんも泣いていました.娘さんは「1日でも長生きしていて欲しいの.」と仰いながらご本人を説得し,最終的に胃瘻造設の方針となりました.

 コロナ禍において,本来ならば,毎日娘さんが面会に来られていたであろう病棟という場がいかに閉鎖的な場に変わってしまったのかを痛感させられる場面でした.

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